AI(あい)あるクワダテ
「AIを自分たちの業務で、一体どう活用できるんだろう?」
「AIを使いこなすことで、私たちの仕事にどんな変化が訪れるのか?」
世の中でAIが当たり前になりつつある今、そんな疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
この疑問に答えるため、FCEの社内メンバーのAI活用事情とその劇的な効果を、「AI(あい)あるクワダテ」と称してご紹介していきます!
本企画が、みなさんの日々の業務を改善し、
今よりもっと次をよいものにしていくための「企て」のヒントになれば幸いです。
今回は、プロセス&テクノロジー事業本部の添田さんにお話を伺いました!

マーケティング部門でリード(見込み顧客)獲得を牽引し、自らもクリエイティブ制作をゴリゴリと推進する添田さん。
「ハイパフォーマーの思考プロセスをいかにして再現するか」「直感に頼らずデータからいかにして最速でクリエイティブを生み出すか」という、ビジネスパーソンなら誰もがぶつかる壁をAIでどう乗り越えたのか、その具体的な挑戦とマインドの変化に迫ります。
上司への提案前に抜け漏れをなくす。プレシンキングの質を高める仕組み
—— 本日はよろしくお願いします。まずは添田さんの現在のミッションについて教えてください。
添田さん: プロセス&テクノロジー事業本部で、RPAのマーケティングを担当しています。Web広告や比較サイト、セミナーなどを通じたリードの獲得がメインのミッションです。どのような打ち出しをするかを考えたり、バナーなどのクリエイティブを企画したりといった業務を推進しています。
—— 今回、AIを活用してご自身の業務を大きく変革されたと伺いました。導入前はどのような課題感を持っていたのでしょうか。
添田さん: 企画や戦略を立て、上司に提案する際には、さまざまなフレームワークや観点から検討する必要があります。そこで、自分なりにプレシンキング(事前の思考や準備)をしたうえで企画案を上司に提案していましたが、それでも検討すべき視点が抜け落ちてしまうことがありました。
—— 具体的にはどんな状況だったのですか?
添田さん: はい。たとえば、施策の具体化に集中するあまり「費用対効果の検証」といった別の重要な視点が薄くなってしまい、フィードバックをいただくことがありました。もちろん的確なご指摘なのですが、事前に自分で気づけたはずの観点であれば、確認してくださる方の時間を奪ってしまい申し訳ないと感じていたんです。だからこそ、提案に持っていく前段階で、いかに自分自身の思考のレベルを引き上げておけるか、網羅的に考えを深められるかが課題でした。
ハイパフォーマーの「思考プロセス」を誰もがなぞれる仕組みへ
—— そこでAIを活用し始めたのですね。具体的にどのような仕組みを作成されたのでしょうか。
添田さん: 私が作ったのは「戦略壁打ちくん」というエージェントです。単なる会話相手ではなく、上司から普段もらうフィードバックの観点や、ハイパフォーマーの「思考プロセス」をそのまま外出ししてAIに持たせる、という発想で作りました。

添田さんが AI OMNI AGENT で作成したAIエージェント
—— 思考プロセスをAIに持たせる、とはどういうことでしょう?
添田さん: たとえば、企画を練る際に必ず通るべき思考のフレームワークがありますよね。最初は意識していても、人間ですからどうしても抜け落ちてしまうことがあります。そこで、自分が考えた企画案をAIに入力し、まずは「このフレームワークの観点から抜け漏れがないか」と確認してもらいます。さらに、AIから返ってきた指摘に対して自分の考えを伝え、追加の問いや別の観点を受けながら、何度もやり取りを重ねて企画案を磨き上げていきます。
—— 上司に相談する前に、AIに上司の視点でチェックしてもらうわけですね。
添田さん: そうです。これを挟むことで、複数の視点で網羅的に考えたうえで自分の意見を固められるようになり、提案内容の納得感が自分の中でも格段に上がりました。
また、属人化を防ぐ意味でも効果的です。たとえば私が異動して後輩がこの業務を引き継いだとき、また一から同じフィードバックをもらうような状態では、組織として非常にもったいないですよね。「このプロセスで業務を進めれば高い成果が出せる」というハイパフォーマーの思考の手順を、誰もがなぞれる仕組みに落とし込めたのが大きいですね。
顧客データから根拠ある構成を自ら固め、外注先との修正ラリーをなくす
—— 思考プロセスの再現に加えて、バナーなどのクリエイティブ制作でもAIをうまく活用されているそうですね。
添田さん: ええ。これまではバナーや動画などの制作を外部のパートナー企業様に依頼する際、こちらからはテキストの素材や大枠の要望をお渡しし、具体的なデザインの落とし込みはお任せする進行になっていました。しかし、それだとどうしても最初の段階で意図のすり合わせが難しく、上がってきたものに対して修正のラリーが発生することがありました。
—— 意図のすり合わせに時間とコストがかかってしまっていたのですね。
添田さん: はい。なぜ意図がズレてしまうかというと、そもそも私たちが依頼する段階で、「誰の、どんな課題に向けたクリエイティブなのか」というターゲット像がフワッとしていたからです。前提となるターゲットの解像度が低いままでは、パートナー企業様も正解を作りようがありませんよね。
そこで、まずは自分たちでターゲットの解像度を上げるため、SFA(営業支援システム)に蓄積されている実際の商談メモや顧客からの相談データをAIに読み込ませました。もちろん社名などの情報は伏せたうえで、「どの業務に課題を感じているお客様が定量的に多いのか」といった全体の傾向を掴むんです。
—— 漠然とした直感ではなく、現場のリアルな声から根拠を抽出したのですね。
添田さん: そうです。システムを見に行けば1件1件の情報は確認できますが、全体的な傾向を掴まないまま進めると、「本当にこの1件の意見だけで判断していいのか?」という迷いが生じますし、結果としてデータに基づかない手探りの施策になってしまいます。
顧客の生々しいデータに基づいて、「この業界のターゲットにはこの訴求が刺さる」という構成案をAIと一緒に考えます。自分たちで8割方ラフ案を固めきってから、「デザインの力でプロフェッショナルに仕上げていただく工程」を外部にお願いするようにしました。結果として意図のズレや修正のラリーが激減し、PDCAを回すスピードが圧倒的に速くなりましたね。
効率化の先にあるもの。思考を深める「壁打ち相手」としてのAI
—— AIによって、思考の質も制作のスピードも劇的に向上したのですね。AIを使い始めてから、添田さんご自身のマインドに変化はありましたか?
添田さん: AIに対して、「外付けハードディスク」のようなイメージを持つようになりました。組織に眠っている顧客データや、ハイパフォーマーの思考プロセスといった「資産」を、必要なときに誰でもすぐ引っ張り出せる形にできる。これは本当に強力です。
—— 誰もが資産にアクセスできる環境になったと。
添田さん: RPA(定型業務の自動化ツール)は、手順をなぞって「この通りにやれば業務が完成する」という仕組みを作りますが、AIは「このプロセスで考えれば高い成果が出せる」という思考の仕組みを作ることができます。
ただ、マーケティングにおいてAIはあくまでも「壁打ち相手」であり「コーチング相手」だと思っています。効率化は当然できますが、最後にちょっと面白いスパイスを足したり、人の心を動かしたりするのは、まだ人間の役割です。

—— AIがすべてを代替するわけではないのですね。
添田さん: ええ。だからこそ、初期のデータ集計や思考の土台づくりといったAIが得意な領域は積極的に力を借りる。そして、浮いた時間や整った土台を使って、人間はより本質的な思考に時間を使う。効率化だけでなく、自分たちの仕事の「効果(質)」を高めるためにAIを使う、という観点がとても大切だと実感しています。
——本日は、ありがとうございました!
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