#企業家のクワダテ
FCEは“企”業家集団。
企業家とは、業を“起”こすのではなく、業を “企て”ること。
FCEが定義する“企て”は、事業を立ち上げたり新商品を開発したりといった大規模なものだけを指すのではなく、
身近な業務を改善したり、従来の考え方を変えてみて生まれる小さなイノベーションだったり。
「今よりもっと、次をよいものにしていくための取り組み」を“企て”としています。
そこに社歴、年齢、所属は関係ありません。
本企画は、FCEの企業家たちをご紹介します!
展示会で契約数ギネス──“仕組み”と“マメさ”で実現した前例のない成果。
今回お話を伺ったのは、プロセス&テクノロジー事業本部 営業推進部でフロントセールスを担当する山口さん。
2024年の社内表彰式で「ジ・イノベーション・オブ・ザ・イヤー金賞」(チーム受賞)と「ブレイクスルー賞」(個人賞)のW受賞を果たしました。
特に大きな評価を得たのは、名刺獲得数、トライアル数含むKPIがすべて当時の過去ギネスを更新。
そして契約者数は昨月対比2倍、展示会経由での契約者数は過去最高という圧倒的な数字を叩き出したこと。
しかし、最初から成果を出していたわけではありませんでした。
入社当初は研修にも苦戦し、同期の中でも一番契約が遅かったという山口さん。
“背水の陣”で臨んだ転職、営業職としての苦闘、そしてそこからの反転──
そんな山口さんがどのようにして成果を出し、企業家としての自覚を持っていったのか。
その軌跡をたどります。
♦目次♦
1.いきなり任された展示会。契約3倍の裏にあった“仕組み”と“マメさ”
2.「ここでダメなら営業は向いてない」背水の陣でFCEへ
3.一番遅れた研修突破──“素直さ”で道を切り拓いた日々
4.仕組み化と巻き込み力。任された展示会を成果に変えるまで
5.“私が”から“私たちが”へ──再現性と育成に込める企業家的まなざし

いきなり任された展示会。契約3倍の裏にあった“仕組み”と“マメさ”
——6月の展示会で、契約数が5月比で2倍で当時の過去最高記録…これはPATでも前例のない成果ですね!
※ターゲット目標…ありたい姿から逆算した時に達成したい数値である目標。
山口:はい。どこの会社もそうだと思いますが、展示会は、リード獲得から契約までをつなぐ重要な施策の一つです。ただ、運営や成果の振り返りが多岐にわたるので、「どこで差が生まれているのか」が見えづらい部分もありました。そこを、ひとつひとつ可視化していったことが、今回の成果につながったのかなと思っています。
——山口さんがやったのは、“契約までの道筋を設計した”ということですよね。
山口:最初は、とにかく不安しかなかったんです。前月の5月の展示会があったのですが、この展示会は別のメンバーが担当をしていました。なので、いきなり主担当に抜擢いただいたんです。「まずはマネから」と思って前例をなぞることから始めました。
実は、前月の5月を担当していたのが、同期入社の内野さん&谷岡さん。前田さんの三人が運営を担当して圧倒的な成果を出していたので、密に「絶対に負けたくない」という負けず嫌い精神と、同期が繋いでくれたいい流れのバトンをここで落とすわけにはいかない!という気持ちで臨みました。
——いきなり主担当!そこから、完全に“自分で考えて動く”モードに切り替わったのでしょうか。
山口:はい。展示会が終わったあとに「よかったね」で終わらせたくなくて、「次はどこを改善するか」「どこで人が止まるのか」って、セールスステップを全部分解して見直していきました。
——そこから見えてきたものが今回の成果に大きく繋がったのでしょうか。
山口:そうです。これまでもある程度の成果指標は見ていたんですが、「どこで人が止まっているのか」「どこを改善すれば次につながるのか」がもっと見える状態にしたくて。展示会の流れ全体を改めて見直して、必要だと思った指標を追加していきました。
——運営や営業メンバーの動きが、具体的な数値で可視化されるようになったわけですね。
山口:はい。そうすると、改善の打ち手も明確になるんですよ。「ここの数字を動かすにはこうしよう」とか。最初はマネからだったのが、いつの間にか「この方がチームが動きやすい」とか「この順番の方が伝わりやすい」とか、考えながら整えていくようになっていました。
——その設計が、名刺獲得数、商談数を倍増に引き上げ、契約“2倍・3倍”という成果、ひいては展示会経由の契約数は過去最高数という成果に直結したということですね。
山口:ありがたいことに、そうなりました。もちろん、自分ひとりでやったわけじゃなくて、営業の人たちが全力で動いてくれたからこそです。でも、私が意識していたのは「マメさ」と「仕組み化」です。細かく整えておくことで、みんなが“迷わず動ける状態”をつくれたのかなと思っています。
——前例のある仕組みに乗るだけじゃなく、「仕組みをつくる」側へ。数字という証拠が、そのすごさを物語っています。
山口:最初は不安でいっぱいだったけど、自分から動いて仕組みにできたことで、「やれば変えられる」と実感できた展示会でした。
「ここでダメなら営業向いてない」背水の陣でFCEへ
——展示会でW受賞という華々しい成果を残した山口さんですが、入社当初から順調だったのでしょうか?
山口:いえ、そういうわけでもなく…実は、入社の時点では「ここで成果を出せなかったら、自分は営業に向いてないんだろうな」って思っていました。前職も営業だったのですが、思ったように成果を出せなかったので次こそは結果を出さなきゃという気持ちで、かなり追い込まれていました。

——“営業が向いていない”というのは、今の山口さんから想像がつきません!FCEに応募されたのは、どんなきっかけだったんですか?
山口:求人サイトでたまたま見つけたのですが、「営業×マネジメント」という言葉が目に留まって。「個人で売るだけじゃなく、仕組みで強くなる営業」というのに惹かれたんです。
——FCEに入社すると決めたとき、どんな心境でしたか?
山口:完全に腹をくくってました。中途半端に入るのではなく、「ここでやりきるしかない」と。そういう意味で、入社の時点から逃げ道は作っていなかったと思います。
——その覚悟が、のちの挑戦や行動にもつながっていったのですね。
山口:はい。もちろん最初からうまくいったわけじゃないですが、「逃げないでやりきる」という意識だけは持ち続けていました。
一番遅れた研修突破──“素直さ”で道を切り拓いた日々
——入社後は、まず営業研修からスタートされたそうですね。どんな期間でしたか?
山口:もう、本当にしんどかったです(笑)。最初の1ヶ月は「記憶がない」って言ってもいいくらい、必死でした。やることも覚えることも多くて、常にキャパオーバーな状態で。
——特に大変だったのは、どのあたりだったのでしょう?
山口:ロープレですね。自分だけ全然通らなくて、同期はどんどん次のステップに進んでいくのに、自分は同じところで止まっている。焦るし、落ち込むしで、「このまま自分だけ置いていかれるんじゃないか」っていう気持ちが強くなっていました。
——その状況の中で、どうやって前に進んでいったんでしょうか?
山口:とにかく「言われたことは全部素直にやってみる」です。やり方にこだわるのをやめました。「自分らしさ」みたいなものを出す余裕はなかったので、アドバイスをそのままやる。結果が出るかどうかよりも、「やりきる」ことをとにかく優先することにしたんです。
——変化の兆しは、いつ頃見えてきたのでしょう?
山口:素直にやることを続けていたら、少しずつロープレでの反応が変わってきて、「山口、良くなってきたね」と言ってもらえるようになって。それがすごく励みになりました。自分でも「ちゃんと進めてるかも」と思えたのは、あの時が初めてだったかもしれません。
——その時期、周囲からのサポートも大きかったのではないですか?
山口:本当にそうです。先輩方が遅くまでロープレに付き合ってくれたり、ちょっとした一言で背中を押してくれたり。自分では気づけなかった視点や励ましに、何度も救われました。
——一番後れを取っていた研修を、地道に、でも着実に突破していったんですね。
山口:はい。「できるようになるか不安」って思っていたのが、「やればちゃんと進めるんだ」と思えるようになった。その経験は、今でも自分の中で大きな土台になっています。
——著しい成果を出している山口さんにもそんな過去があったのですね!
“私が”から“私たちが”へ──再現性と育成に込める企業家的まなざし
――展示会を成功させたあと、ご自身の中で意識に変化はありましたか?
山口:ありました。それまでは「自分が結果を出すこと」に必死だったんですけど、展示会の経験を通して、「チームとしてどう勝てるか」に目が向くようになりました。再現性をつくるとか、チーム全体の動きやすさを考えるとか、そういう視点が自然と増えていった気がします。
——行動面で以前と変わった点はありますか?
山口:共有や発信の仕方も変わっていきましたね。昔の自分だったら、「これ、言う必要あるかな?」って遠慮していたようなことでも、「誰かの役に立つかも」と思えるようになって、積極的に共有するようになりました。うまくいったことを「マネしてもらう」だけじゃなくて、「応用できる状態で渡す」という意識で発信しています。
——今では後輩育成にも関わられていると伺いました。
山口:はい。自分も最初はつまずいた側なので、今度は“挑戦を後押しする側”としてサポートしたいと思って動いています。経験を「再現できる形」に落とし込んで渡す。それが、自分なりの育成スタイルなのかなと思っています。

——あらためて伺います。山口さんにとって、「企業家」とはどんな存在でしょうか?
山口:うまく言葉にできるかわかりませんが…「変えたい」と思って動ける人、かなと思います。現状を当たり前だと思わずに、「もっとこうなったらいいのに」と思って、それに向けて行動を起こせる人。その姿勢が企業家精神なんじゃないかなと。
——では、一緒に働きたいのはどんな人ですか?
山口:志を持っている人ですね。具体的な目標じゃなくても、「こういう社会にしたい」とか「こういうことを実現したい」とか。何かしら自分の中に“問い”を持っている人。そういう人とだったら、一緒に考えて、動いて、実現する過程が楽しめる気がします。
——成果を出して終わりではなく、それを共有し、再現し、組織に還元していく。まさ
に企業家としての成熟を感じます。
山口:ありがとうございます。これからも、「自分がどうやるか」ではなく、「チームがどう勝てるか」を考え続けていきたいですし、そんな組織を一緒につくっていけたら嬉しいです。
——山口さん、貴重なお話をありがとうございました!
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取材・執筆・撮影:竹中
デザイン:谷口