#企業家のクワダテ
FCEは“企”業家集団。
企業家とは、業を“起”こすのではなく、業を “企て”ること。
FCEが定義する“企て”は、事業を立ち上げたり新商品を開発したりといった大規模なものだけを指すのではなく、
身近な業務を改善したり、従来の考え方を変えてみて生まれる小さなイノベーションだったり。
「今よりもっと、次をよいものにしていくための取り組み」を“企て”としています。
そこに社歴、年齢、所属は関係ありません。
本企画は、FCEの企業家たちをご紹介します!
インサイドセールス部門をゼロから立ち上げ、FCEで後輩の育成力がピカイチと評価される友野さん。
今では、まったく未経験の状態から新卒10人の研修を任せられるまでのチームを作ってこられました。
ご自身が年間功労者賞にて受賞するだけでなく、昨年は新卒2年目(※当時)の部下が社内最高賞「セールスパーソン・オブ・ザ・イヤー」を受賞。“アポ女王”と称される実績も生まれました。
個人として成果を出すだけでなく、成果を出す人を育てるリーダーへ。「自分が成果を出す」から価値観を転換し、“挑戦が連鎖するチーム”を築く友野さんの背景に迫ります。
目次
1.「楽しいから」だけでは続かない── “感謝”が、私の背中を押してくれた
2.「上司になった。でも、後輩は楽しそうじゃなかった」
3.マネジメントっておもしろい!
4.誰もがリーダーになれる組織を── 次世代に仕組みを継承する

「楽しいから」だけでは続かない
――“感謝”が、私の背中を押してくれた
──友野さん、今日はよろしくお願いします。
友野さんはFCEに入社される前は、まったく異なる業界でご活躍されていたと伺いました。
どんなきっかけでFCEを選ばれたのでしょうか?
友野:前職では保険業の仕事をしていて、数字に向き合う日々でした。実力主義の環境で得た経験はすごく大きかったですし、振り返れば、そこで鍛えられたことが今にもつながっていると感じます。
ただ、「自分の成長が、誰かの役に立っている」という実感には、なかなかつながらなかったんです。
そんな中で出会ったのが、FCEの社員の方でした。正直、事業内容や制度よりも、社員の方々の話し方や空気感に惹かれて、「この人と一緒に働いてみたい!」と、気づいたら決断していました(笑)。
──入社されてすぐはどんな仕事をされていたのですか?
友野:ロボパットのコンサルティング営業です。今振り返ると、自分の考え方が大きく変わった時期でした。
1年目の終わりには、とにかく覚えることが膨大にありすぎてついていくのに必死でした。
ただ、周囲の先輩方が本当に丁寧に関わってくれていたので、決して孤独ではありませんでしたし、
「どうにか乗り越えたい」という気持ちで頑張っていましたね。
そんな中、転機となったのがある社内研修です。目標達成へのPDCAを学ぶ研修なのですが、
さまざまな部署から8名選抜されました。会社の中でも期待されている人たちばかりで、緊張感のある時間でした。
──それは凄いですね。
友野:はい。しかも当時は、通常の業務に加えて、研修、そして当時は子どもが生まれたばかりで、寝不足続きという毎日で…正直、体力的にはかなりきつかったです。それでも、気持ち的には「しんどい」「つらい」とは不思議と全く思わなかったんです。
──それはどうしてなんですか?
友野:研修の講師陣が本気で向き合ってくださったからです。
当時の研修はトレーニング・カンパニー事業本部の役員が担当してくださったのですが、ご自身もめちゃくちゃ忙しいはずなのに、「あなたの目標は何?必ず達成しよう」と、時間をかけて本気で向き合ってくれる。私以上に私の成長や目標達成に一生懸命になってくれるその姿勢に、自然と感謝の気持ちが芽生えました。
この経験を通じて、FCEが大事にしている「感謝し、報いる」という考え方を、心から理解できた気がします。
その研修がきっかけとなり私自身も成果が出せるようになり、社内でも評価をいただけるようになりました。
「上司になった。でも、後輩は楽しそうじゃなかった」
──そんな好調の中、営業から異動になったと伺いました、、
友野:そうなんです。ある日、上司から「ちょっと話そうか」と声をかけられて(笑)。
突然の異動の話だったので、正直、驚きました。異動先はインサイドセールス。
ロボパットに興味を持ってくれた方に荷電してアポにつなげてフィールドセールスチームにパスを出すという役割でした。
──当時の友野さんはどんな気持ちだったのですか?
友野さん:とても悔しかったですね。「もっともっと成果を出して、感謝を返したい」
と思っていたタイミングだったので…。
ただ、上司からは「今、インサイドセールスが必要なんだ」と、すごくやわらかく伝えてくれて。
その言葉に背中を押されるようにして、新しく立ち上がるチームに加わることになったんです。
──「やりたいことと違う」と感じたとき、転職を考えるという人も多いと思います。
友野さんは、そのような思いを持ったことはなかったんですか?
友野:ないですね。それはやっぱり、自分の中に「感謝し、報いる」という気持ちが根づいていたからだと思います。
異動先で成果を出すことが、自分にできる一番の恩返しだと思っていたので、とにかく前向きに頑張ろうと決めていました。
──なるほど。異動してからはどうでしたか?
友野:本当にゼロからのスタートでした。当時はまだ“インサイドセールス”という言葉すら社内では一般的ではなくて、仕組みも何も整っていない状態。そんな中で、まずは専任はひとりで電話をかけるところから始めて、少しずつやり方を積み上げていきました。
徐々に仲間も増えていき、気づけば3人のチームになって、月に目標値以上のアポを取れるようになっていたんです。
このタイミングで年間功労者表彰式でも表彰をいただけるまでになり、とても良いチームができていて、
「この空気をもっと育てていきたい」と本気で思っていました。
実際に年間功労者表彰式でも表彰もいただけて、「ここまで来たんだな」と、すごく感慨深かったですね。
──すごく素敵なチームができていったのですね!
友野:はい。本当に絶好調という言葉の通りでした。でも、そんなときにすごくショックなことがありまして、、
──ショックなこと…?
友野:はい、信頼していたチームメンバーが突然辞めてしまったことでした。
成果も出していた方だったので、なおさら衝撃が大きくて。
あまりに突然だったこともあり気持ちの整理がつかず、「自分はちゃんと見えていなかったのか」「チームの雰囲気が良かったと思っていたのは、表面的だったのか」と、自問自答が止まりませんでした。

そのときに強く思ったのが、「アポの数や成果だけじゃ、ダメなんだな」ということです。
数字では測れない部分――たとえば「このチームにいることが楽しい」とか、「ここにいていいんだ」と思える安心感とか。そういうものを、自分はちゃんと伝えられていただろうか? 誰かがしんどそうにしていても、目の前の仕事に追われて、見過ごしていたんじゃないか?あの出来事は、私にとって「上司って何だろう」と本気で考えるきっかけになりました。
──友野さんにとっての「上司とは」の答えは見つかったんですか?
友野:「誰よりも損しよう」、それが私の中での答えですね。
──誰よりも損しよう・・・?
友野:はい、当時は自分が成果を出してチームをけん引することに集中していました。
でもあるとき、「このままずっと“自分が頑張る”だけでは、チームの伸び代は限られる」と気づいたんです。
それよりも、後輩が伸びることでチームが強くなる。その方が、何倍もインパクトがある。
だから、自分の成果に直結しなくても、後輩とのコミュニケーションや、働きやすい空気づくりに時間を使おうと決めました。
マネジメントっておもしろい!
──そこからマネジメントにどのように注力されていったのですか?
友野:まずマネージャーとしての勉強を始めました。ただ、子どももまだ小さくて手のかかる時期でしたので、なかなかまとまった時間をとるのが難しい。そこで、家事をしながらTikTok でビジネス系の動画を流したり、イヤホンをつけてお皿洗い中にインプットしたりしていました。子どもが遊んでいる間に再生して、“すきま時間”を活用するスタイルです。
──“すきま時間”の活用、すごすぎます!
友野:ありがとうございます(笑)。子育ては、ご飯を食べさせたり、トイレに付き添ったり、寝かしつけたりと、
やることは山ほどあって…自分の時間がやっとできるのは、だいたい夜の10時ごろ。夜中。
それから4時間ぐらい勉強するようにしました。日中は耳を使ってひたすらインプット、夜は座学という感じです。
でも、自分では「努力していた」というより、「後輩の相談にちゃんと応えられる自分でいたくて、なんとか工夫していた」という感覚に近いですね。
──すごいです…!そこまでして、後輩に応えたいと思った理由は何だったのでしょうか?
友野:一言でいうなら、「部下に恥ずかしくない自分でいたい」という想いです。
ありがたいことに、後輩から相談を受ける機会が増えてきて。ただ、自分の経験だけでは答えきれない場面も多くなってきたんですよね。だからこそ、「もっとちゃんと答えたい」「この人の成長に本気で向き合いたい」と思うようになって。学び続ける以外に、選択肢はありませんでした。
──その想いが、行動にしっかり表れているんですね。
「後輩との関わり方」という点では、どんなことを大切にされていたのでしょうか?
友野:たとえば、杉本さんというメンバー。新卒1年目で私の部署(インサイドセールス)に配属されたのですが、本人の希望通りの配属ではなかったようで、配属後しばらくして、「この部門で今後成長出来るイメージがありません。」と言われたんです(笑)。
上司としては正直ショックでしたね。チームとしてはもちろんいてほしい。でも、彼女の成長を願うなら、異動したほうがいいのかもしれない……と、本気で悩みました。
彼女といろいろ話をする中で教えてくれたのが、「目立つ存在になりたい」という想いでした。そこで、数字だけを追わせるのではなく、「どうすればその想いを叶えられるか」を一緒に考えて、杉本さんが働きやすい環境を作ることが、私が会社のためにできることだと思ったんです。
──具体的には、どのようなことをされたのでしょうか?
友野:本人と一緒に、「表彰台に上がる」という定性目標をたてました。
「そのためにはどんな行動が必要か」「その結果、チームの目標にもどう貢献できるか」といったことを言語化し、目標を設計していきました。そのプロセスの中で、自然とチームへの貢献にもつながり、本人もやりがいを感じながら頑張れる状態ができたんです。そのプロセスを通じて、自然とチームへの貢献にもつながり、本人もやりがいを感じながら前向きに頑張れるようになっていきました。毎月アポ数を伸ばし続け、最終的にはギネス記録を創出!
社内でも“アポ女王”と呼ばれるようになり、新卒2年目で「セールスパーソン・オブ・ザ・イヤー」という、
1年間で最も優れた成績を残した営業メンバーに贈られる賞も受賞しました。しっかり成果を出してくれたので、本人に「最初は気が進まなかったのに、よく頑張ったね!笑」と伝えたところ「いえ、ちゃんと成長出来たし、この仕事好きになりました!」と笑顔で言ってくれました。これはうれしかったなぁ。個人のミッションと組織のミッション。その両方をすり合わせて、後輩が前向きに挑戦できる状態をつくること。それが、私がマネジメントで一番大切にしていることです。

誰もがリーダーになれる組織を── 次世代に仕組みを継承する
──今、マネジメントをされる中で、特に大切にされていることは何でしょうか?
友野:私が一番大切にしているのは、「自分のチームに入ってきた人は、全員リーダーになれる」と信じて関わることです。例えば今、チームの中に妊娠中のメンバーがいて、体調の波もありながら、本人は「リーダーになりたい」と言ってくれているんです。それを聞いたときに、「この挑戦をちゃんと支えたい」と強く思いました。
私自身、子どもがいて在宅勤務をしていた時期があるんですが、子どもが横にいて「構って構って」と言われる中で、仕事がまったく手につかない日もあって…「これは無理だ」と思った日が何度もありました。だからこそ、そういう状態でも働ける仕組みを、ちゃんとつくっていきたいです。
たとえば育休が1年、2年と続いたとしても、戻ってきたときに自然にリーダーとして定着できるような仕組みづくり。
それをモデルケースとして形にすることで、同じように悩んでいる人の希望になればいいなと思っています。
……実は、こうして言葉にするのは今日が初めてなんですけど(笑)。
──すごく素敵ですね!最後に、今後のビジョンがあれば教えてください。
友野:今後やっていきたいのは、未来のリーダー候補の総数を増やしていく活動です。
FCE のチャレンジの文化を加速させていくためにも、私のチームを“チャレンジ輩出機関”みたいな場にしていけたらと思っています。私には、もう一人のリーダー、児玉という信頼しているメンバーがいます。私一人では難しいことも、二人ならば、きっと実現できると思っています。
──私も、自分がチャレンジするだけでなく誰かの挑戦を支えられる人になりたいです!本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
「自分の成果を見ていたところから、FCE全体の業績のために」という分母意識を持った友野さんの言葉は、どれも飾り気がなく、深い覚悟とやさしさに満ちていました。目の前のひとり一人に真剣に向き合い、「自分にもできるかも」と思わせてくれるその姿に、気づけば私自身も「こんな人のもとで働きたい!」と思っていました。
■お知らせ
\FCE採用情報 一緒に働く仲間を募集中/
詳しくは採用サイトをご覧ください。
採用サイト
新卒向け特設サイト
取材・執筆・撮影:南木