現場発のアイデアが集まった「学校版プロンプト大賞」
「生成AIって、教育現場でどう使えばいいのだろう?」
そんな問いに対して、現場の先生たち自身が考え、挑戦し、アイデアを持ち寄ったのが今回の「学校版プロンプト大賞」です。
このプロンプト大賞は、FCEの「FCEプロンプトゲート アカデミック」全国の小中高にお勤めの先生たちを対象に開催されました。生成AIの活用が少しずつ広がる中で、授業づくりや校務の効率化、日々の業務に活かせるプロンプト(AIへの指示文)を先生たちが実際に作成し、応募したものです。
初回となる今回は、全国から180件を超えるプロンプトが寄せられました。授業準備や教材作成はもちろん、通知表の所見作成、部活動の計画まで、活用の幅は想像以上に広がりを見せていました。
審査員を務めた元文部科学大臣政務官の平井聡一郎氏は、「実践的で、現場の悩みや工夫がリアルに詰まった内容が多かった」と講評。
実際、応募されたプロンプトの多くが、日々の業務の中で「こうできたら助かる」「こう工夫したらもっと使えるのでは」といった、まさに現場の先生ならではの視点から生まれたものでした。
生成AIというと、まだどこか遠い未来の技術に感じられる方もいるかもしれません。しかし、こうして現場発の活用事例が集まってくると、AIが「現実の業務のすぐそば」にある道具になり始めていることを実感します。
しかも今回のプロンプト大賞は、専門のIT担当者ではなく、あくまで日々授業や校務を担っている現場の先生たちが主役です。ICTの専門家でなくても、必要なのは「試してみよう」「工夫してみよう」という前向きな一歩なのだと、応募されたアイデアが教えてくれているように感じます。
これが現場のリアル活用!180の中から受賞したのは…
【受賞作品】
<大賞> 教師の授業準備・学習支援・評価を効率化するオールインワンAIアシスタント
(大手前高松中学・高等学校 村山 翔平 先生)
(平井聡一郎氏 選)
最優秀賞に選ばれたのは、授業準備から振り返りまでを一括でサポートするプロンプト。授業の導入文、演習問題、確認テスト、解答例──といった複数の教材案を、先生が考えた単元や生徒のレベルに合わせて一度に生成できる仕組みです。授業準備にかかる時間を大幅に短縮しつつ、バリエーション豊かな教材を用意できると評価されました。

<優秀賞>短時間で担任の先生へフィードバック!教頭先生の通知表所見チェック
(大阪市立今里小学校 斉田 俊平 先生)
(妹尾昌俊氏 選)
通知表の所見作成を支援するプロンプトです。児童生徒一人ひとりの特徴や取り組み内容を入力すると、表現のバリエーションや書き換え提案を出してくれる仕組みになっています。日頃、所見欄の文章表現に悩む先生は多く、こうした“言葉のヒント”をAIが補助してくれるのはありがたい発想です。
<優秀賞>陸上部 部活動メニュー作成
(鹿角市立十和田中学校 髙橋 宏和 先生)
(熊井允人先生 選)
部活動の練習メニューをAIが提案するプロンプト。部員の人数や日程、活動目標などを入力すると、練習メニューの具体案を自動で出力してくれます。部活動顧問の先生方は授業以外の準備も多く抱えていますが、こうした活用が進めば、生徒一人ひとりに向き合う時間をもっと確保できるかもしれません。
<優秀賞>総合探究の調査書・要録に記載する文章作成プロンプト
(大手前高松中学・高等学校 合田 意 先生)
総合探究の調査書や要録に記載する文章を作成するプロンプトです。評価項目を細かく指定しながらAIに指示を出すことで、精度の高い文章が生成できる工夫がされています。審査員の和田先生も「非常に丁寧な指示が工夫されていて、AIの誤りも起きにくくなっている」と高く評価しました。
いずれのプロンプトも共通していたのは、「AIに全部任せる」のではなく、先生たち自身が現場で感じている“こうあってほしい”を起点に作られていたことでした。
道具としての生成AIを、どう現実の仕事に落とし込むか。その工夫と挑戦が、まさに今、教育現場の中で始まっています。
※その他の受賞作品<教職員利活用賞> <児童生徒利活用賞>については、プレスリリース下方に掲載しております。是非ご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000313.000029370.html
また、すべての受賞作品は「FCEプロンプトゲート アカデミック」に掲載され、全国の教員による業務効率化と授業改善に役立つリソースとして活用されていきます。
生成AIは「先生の仕事」を減らすのではなく、変えていく
生成AIを教育に活用する──というと、「AIが先生の代わりになるのでは?」という疑問を持たれることもあります。
しかし、今回のプロンプト大賞で見えてきたのは、そうした不安とは少し違う現場のリアルでした。
AIが担うのは、あくまで先生たちの仕事の“準備部分”や“整理部分”です。授業のネタを出してくれる、所見の表現を広げてくれる、練習メニューのアイデアを出してくれる。その分、先生は本当に大切な「子どもたち一人ひとりに向き合う時間」をしっかり確保できるようになる──。
むしろ、AIの登場によって、先生の役割がいっそう「人と向き合う専門職」へとシフトしていく可能性を感じさせます。
チャレンジカップでもそうだったように、挑戦は誰かにやらされるものではなく「やってみたい」という前向きな気持ちから生まれます。生成AIもまた、教育の挑戦を支える新しい道具の一つとして、先生方の「やってみたい」の背中を押す存在になり始めています。
FCEはこれからも、現場の挑戦を応援し続けていきます。
【FCEプロンプトゲートアカデミックとは】
「FCEプロンプトゲート アカデミック」は、株式会社FCEが提供する、教職員のための生成AI活用支援プラットフォームです。生成AIの初心者でも効果的に活用を可能とするために、学校現場に特化したプロンプト(AIへの指示文)を多数搭載し、教職員の業務負担軽減と教育の質の向上を支援します。
FCEプロンプトゲートアカデミックについて
https://goac.fce-promptgate.com/
(お問合せ)
株式会社FCE PGアカデミック事業グループ
電話番号:03-5908-1425(音声ガイダンスで3番)
メール:info@find-activelearning.com
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