#企業家のクワダテ
FCEは“企”業家集団。
企業家とは、業を“起”こすのではなく、業を “企て”ること。
FCEが定義する“企て”は、事業を立ち上げたり新商品を開発したりといった大規模なものだけを指すのではなく、
身近な業務を改善したり、従来の考え方を変えてみて生まれる小さなイノベーションだったり。
「今よりもっと、次をよいものにしていくための取り組み」を“企て”としています。
そこに社歴、年齢、所属は関係ありません。
本企画は、FCEの企業家たちをご紹介します!
FCEでSmart Boardingのフィールドセールス(営業職)として活躍する古野さん。
入社3年目にしてFCE全社の年間功労者表彰式のセールスパーソン・オブ・ザ・イヤーで、銅賞を受賞されました。
通期1年間の高い目標に加え、途中で上方修正をした数値目標までも達成。
「理解してから、理解される」というFCEのバリューを体現し、顧客理解に徹した姿勢が高く評価されました。
しかし、入社直後の新入社員研修では、チームでビリの結果だったそう。
そこからどのようにしてトップセールスに成長したのか。その秘訣に迫ります。

目次
1.ここで話していることが奇跡
2.泣いてばかりだった新人時代
3.支えてもらったことが、原動力
4.成果が出てきたパラダイムシフト
5.止めない。止まらない。だから結果がついてきた
6.今度は私が、支える番
「ここで話していることが奇跡」
── セールス銅賞の受賞、おめでとうございます! まだ社会人になる前の私からは想像がつかないのですが…最初に名前を呼ばれたときって、どんな気持ちでしたか?
古野:ありがとうございます。でも正直、今インタビューを受けていること自体が、私にとっては“奇跡”なんです。この賞をいただいた際にも、“まさか自分が!!”と思ってました!一年前の自分が聞いたら腰を抜かすだろうな・・・と思うくらい、自分にとっては雲の上のような賞だと思っていたので、自分でも受賞に驚きました(笑)
──セールスパーソン・オブ・ザ・イヤーってさまざまな事業部やチームの枠を超えて、全社のすべての営業職の方から選ばれる賞ですよね。新卒3年目での受賞なんて本当にすごいです!
古野:そうですね。同じ事業部の方々には本当にたくさんメッセージいただきました!それだけでなくお世話になった部署の違う先輩にも、本社でも声をかけていただきました!
でも、最初から順調だったわけじゃないんですよ。成果が出始めたのは、2年目の後半からだったんです。それまでは全然うまく行かないことも多くて 、自分だけが取り残されているように感じていました。今でこそ笑って話せますけど、当時は本当に辛かったです。
── えっ、そうなんですか?今の姿からは想像もできません。
古野:そうかもしれませんね(笑)。でも、本当に成果なんてほど遠くて、泣いてばかりの毎日でした。
「泣いてばかりだった新人時代」
── 私たちも、いつかきっと壁にぶつかると思うのですが、最初に直面した一番つらかった“壁”って何でしたか?
古野:新卒研修です。今でこそ笑って話せますけど、本当に毎日のように泣いていました。
──そんなに…
古野:はい。(笑)うちの研修って、個人とチームそれぞれに明確な目標があるんです。その年によってゴールは変わるのですが、私の代(22卒)は“研修中にSmart Boardingを一社受注する”が個人目標でした。
そして、チームの目標は“全員が受注すること” つまり誰かひとりでも受注できないとチームとしても未達になってしまうんです。
それに加えて、FCEの営業はコンサルティング営業が基本です。なので、ただのサービス説明ではなくて、人事部長クラスの方の『組織作り』や『人財育成』などの相談に乗りながら、そのソリューションとしてSmart Boardingを提案していきます。
入社からわずか2ヶ月のうちに、人事部長クラスの方と対等にお話するということがとても難しくて、私は同期8人の中で受注がとれたのが最後の1人でした。他のメンバーが次々と目標を達成する中、自分だけが取り残されていく……。
全員が受注すればチーム目標も達成だったので、“自分のせいでチームも達成できない”と思うと、それが本当にきつかったです。
それでも最後には、自分自身の力で受注できて、チーム目標も無事に達成することができたんです。今思えば、あの経験があったからこそ、チームの力の大切さや自分の弱さとも向き合えたと思っています。

──すごいです!本当におめでとうございます!
たしかに私も、同期と比べて “自分だけができていない”状況だったら、きっとすごく焦ると思います……。
古野:そういう経験、誰しも一度はあると思います。特に私の場合、謎の過信があって“私ならある程度はできるだろう”と思って入社していたので、まさか自分が一番最後になるなんて信じられませんでした。
私だけなかなか契約が取れない悔しさと惨めさでいっぱいで、10階の個別ブースでよく泣いていました。
そんな様子を見かねた当時の上司が外のカフェに連れて行ってくださって……カフェで人目をはばからず思わず号泣してしまったこともありましたね。
──配属後はどうだったのでしょうか?
古野:実は配属後もうまくはいきませんでした。受注数も下から数えた方が早く、 “チームに貢献できていない”という自覚が常にありました。
中でも一番つらかったのは、“自分のことを嫌いになりそうだったこと”です。仕事を楽しみたいと思って入社したのに、なかなか目標が達成できない自分を、どんどん好きでいられなくなってしまって……。その時期が、一番辛かったです。
「支えてもらったことが、原動力」
── 辛い時期を、どうして乗り越えることができたのでしょうか?
古野:ひと言で言えば、“多くの人が支えてくれたから”です。
何度も“もうダメかも”と思うことがありました。でも、そのたびにたくさんの人が支えてくれたんです。同期や上司や違う事業部の方まで、みんなすごく忙しいんです。でもそんな中、私のために時間をつくって、私の気持ちや話を聞いてくれて…。
FCEには、本気で寄り添ってくれる人がたくさんいるんです。皆さん忙しいはずなのに、時間を取ってくれる。そうした存在が、何よりも大きな支えになりました。
たとえば、役員や上司の皆さん……それぞれ部下を何人も抱えていて、スケジュールに隙間もないぐらいギッシリなのに、私のために毎日のように時間を割いて相談に乗ってくれました。
仕事の話だけではなく“何でも吐き出していいよ”と、私の弱さや感情までしっかり受け止めてくださったんです。
── 私は上司の方に自分の弱さを見せるのは、とても勇気がいりそうです……。古野さんはもともと得意だったんですか?
古野:全然得意じゃなかったです。むしろ、弱音を吐くのが一番苦手でした。
親にすら仕事の悩みを話したことがなかったし、“できないって言うのはかっこ悪い”って思っていたので、“できない”自分を受け入れるのが怖かったんです。
でもFCEには、できないところも含めて私のありのままを受け止めて下さる方、そしてその上でどうやったらできるようになるかを、本気で、一緒に考えてくれる人たちがいたんです。そうした存在に、本当に救われました。
とても心に残っているのが、永田さんという取締役でプロセス&テクノロジー事業本部長の方がいるのですが、その日も、オフィスで泣いてしまっていたのですが、そんな私を見つけて、“話、聞くよ”と声をかけてくださいました。
そこからなんと3時間ほどずっと話を聞いてくださったんです…。永田さんと私は違う部署です。しかも永田さんは取締役で、ものすごく忙しくて……。それにもかかわらず私の話を3時間も聞いてくださり、最後には『古野らしく頑張れ!』と背中を押してくださったので、それがすごく大きな支えになりました。
── 本当に素敵な方々がいらっしゃるんですね!
古野:はい。同期も『飲みに行こう』と声をかけてくれたりして。思い返すと、本当にたくさんの人に支えられてきました。ただ“元気出して”と励ますのではなく、“今つらいんだね”と、ちゃんと気持ちを受け止めてくれる。そんな空気があるからこそ、“弱さを出してもいいんだ”と思えるようになりました。
最初は自分の弱さを認められませんでしたし、見せるのが恥ずかしかったけれど、むしろ出した方が助けてもらえるし、助けてもらった経験がある人こそ、いつか誰かを助けられる。そう思えたことで、少しずつ前を向けるようになりました。
── 私も、そんなふうになれるでしょうか?
古野:そうですね。FCEは“人をちゃんと見てくれる人”が多くて、“理解してから、理解される”というバリューがしっかり根づいている会社だと実感しています。
だからこそ、オープンマインドになることができれば、きっと誰もが私と同じような経験をできると思います。
「成果が出てきたパラダイムシフト」
── 苦しい時期が続いた中、成果につながった転機にはどんなことがあったのでしょうか?
古野:一番大きかったのは、“自己流”を手放して、成果を出している上司のやり方を素直に取り入れようと思えたことです。そう思えたのは、同じチームにいた同期の影響が大きかったですね。私が思うように成果を出せなかった時期に、彼女は着実に結果を出していて。その理由が、徹底的に“上司を真似る”ことだったんです。
彼女は上司のトークをすべて文字起こしして、何度も読み込んで、そのまま実践していました。最初は“自分らしさがないな”と思っていたけれど、でも結果が出ているのを見ていると、“そこには理由があるんだ”と納得せざるを得ませんでした。
── “真似ること”が、成果への近道だったんですね。
古野:はい。彼女には“自己流”や“自分らしさ”へのこだわりが一切なかったんです。
成果が出ている人のやり方をまねる。一方、私はずっと“私は私のやり方がある”と思っていたけれど、成果が出ていないのにそれに固執するのは意味がないと気づきました。そこから“プライドを守るより、目標を達成できないほうが悔しい”と思えるようになって、腹をくくりました。

──私だったら、自分のやり方を変えるのは難しい気がします。
古野:そうですよね。でも、私は“自分がどうしたか”より、“お客様にとって何が必要か”を見るようにしたら、自然と行動も変わっていきました。
その頃、上司が“私たちは会社や上司のために働くのではなく、お客様のために働こう”と話してくださって。その言葉が、私の中で大きなパラダイムシフトになりました。
成果が出ないことばかりに目を向けて悩んでいたけれど、その時期、実際に私を評価してくださったお客様もいました。そこにもっと目を向けて、“お客様のためにできること”を考えるようになってから、次第に目標の捉え方も変わりました。
── “自分”から“相手”へと、仕事の軸が変わっていった、ということでしょうか?
古野:はい。成果を出している人のやり方を素直に実践し、お客様を中心に考えられるようになったことで、見える景色が大きく変わりました。
「止めない。止まらない。だから結果がついてきた」
── セールス銅賞という成果の背景には、日々の積み重ねもあったのではないかと思います。古野さんが、日々意識していたことがあれば教えてください。
古野:意識していたのは、“止まらないこと”と“行動量を落とさないこと”です。しんどいときって、つい立ち止まりたくなると思うんです。でも私は、入社式で石川さん(社長)からいただいた“止めない、止まらない”という言葉を、ずっと自分に言い聞かせていました。
どれだけ成果が出なくても、どんなに苦しくても、それだけは守ろうと決めていたんです。だから、どんなときも面談の件数を減らさず、1件1件しっかり準備して、毎日動き続けていました。それが大きかったと思います。
── つまり、成果に繋がったのは“動き続けた力”だったんですね。
古野:そうですね。加えて、“自分が戦えるフィールドをどう作るか”という視点も常に持っていました。例えば、面談に向けて導入事例を徹底的に集めていました。
営業職でしたが、サポート部門の方にも積極的に質問しに行って、“この事例を教えてください”“他にも似たようなケースはありますか?”と、何度も情報をいただいていました。そうして得た情報を自分なりに整理して、PowerPointで事例集を作っていたんです
── それってかなり大変そうですね。古野さんは自主的に取り組まれていたんですか?
古野:はい。理由はシンプルで、私が提供できるのは“情報”だからです。ビジネス経験が何十倍もあるお客様、特に経営者の方々と向き合う中で、“この人に相談したい”と思っていただけるかどうかは、“私がどれだけ役立つ情報を持っているか”にかかっていると思っていました。そのため、“ないからできない”じゃなくて、“ないなら取りに行く”。
このスタンスで、自分に足りないものをとにかく集めて、整理して、届ける。
それを当たり前の行動として、積み重ねてきました。
── 成果が出ていない時期も、そのスタイルは変わらなかったんですか?
古野:はい。正直、辞めたいとか、休みたいと思う瞬間がなかったわけではありません。でも結局、“止まらなかった”んですよね。止まらなかったからこそ、少しずつ景色が変わって、ようやく成果に繋がってきました。地道なことかもしれませんが、それを続けたからこそ、花が咲いたと思っています。
そして今は、かつて自分が支えられてきたように、“止まりそうな誰か”に手を差し伸べられる存在になりたいと思っています。
「今度は私が、支える番」
──今は、どんなことに取り組んでいらっしゃるのでしょうか?
古野:ちょうど来月から、初めてチームを持つことになりました。新卒を含む5人のチームです。
実はこれまで、リーダーという役割には縁がなく、正直あまり興味もありませんでした。でも今回は、自分から“やらせてください”と手を挙げたんです。
── その心境の変化には、どんな背景があったのでしょうか?
古野:やっぱり、これまでたくさんの人に支えてもらって、何度も救われてきたからだと思います。仕事を通じて、かけがえのない経験ができましたし、宝物のような人間関係にも出会えました。
自分のことが嫌になりそうな時期もありましたが、少しずつ自分を好きになり、自分にはできないと思っていたことも、できるようになりました。そういう変化を、この会社なら誰もが経験できると信じているからこそ、今度はそれを“届ける側”に回りたいと思ったんです。
── まさに、“今度は自分が、支える番”ということでしょうか。
古野:そうですね。特別なリーダー像があるわけではないですが、チームのメンバーにイキイキと、キラキラと働いていてほしいと思っています。
これまで私が受け取ってきた支えを、今度は私が還元していきたい。それが、今の私の原動力です。

── 古野さんが、企業家の一員として大切にされていることをぜひ伺いたいです!
古野:“自分はどうしたいか”という意志を、常に持ち続けることです。相談やディスカッションの場でも、自分の考えを持ったうえで話すようにしています。
FCEには、“誰が言うか”ではなく“何を言うか”を大切にする文化があります。立場や年次に関係なく、より良いものをつくるために本音で意見を交わす。私もその文化に育ててもらいましたし、後輩ともそんな関係性を築いていきたいと思っています。
── 最後になりますが、古野さんが一緒に働きたいと思うのは、どんな人ですか?
古野:“挑戦したい”という気持ちがある人です。今できるかどうかは関係なくて、“できるようになりたい”という意志がある方なら、FCEは必ず力になれる環境です。
不安があるのは当たり前だと思います。でも、一度“やってみよう”と決めてしまえば、そのあとはいくらでも変えられます。
“自分の選んだことを正解にしていく”という言葉がありますが、そのプロセスでは、必ず周りが助けてくれますし、私も全力でサポートします。だからこそ、少しでも“こうなりたい”というビジョンがある人と一緒にチャレンジしていきたいと思っています。
── 私も、そんなふうに挑戦できる後輩になりたいです!本日はお忙しい中ありがとうございました。
たくさん支えられてきたからこそ、今度は自分が誰かを支える番だと語る古野さん。
その言葉の一つひとつに、覚悟とあたたかさがにじんでいて、気づけば「私もこの人のチームで働きたいな」と思っていました。
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取材・執筆・撮影:南木