#企業家のクワダテ
FCEは“企”業家集団。
企業家とは、業を“起”こすのではなく、業を “企て”ること。
FCEが定義する“企て”は、事業を立ち上げたり新商品を開発したりといった大規模なものだけを指すのではなく、
身近な業務を改善したり、従来の考え方を変えてみて生まれる小さなイノベーションだったり。
「今よりもっと、次をよいものにしていくための取り組み」を“企て”としています。
そこに社歴、年齢、所属は関係ありません。
本企画は、FCEの企業家たちをご紹介します!
今回お話を伺ったのは、カスタマーサクセス部門でSC(ストラテジッククライアント)ユニットという、営業と支援の両面を担当するチームのリーダーを務める三浦さん。
営業と支援を一人で担うという、新しいチーム体制を立ち上げ、現在は4名のユニットリーダーとして活躍されています。
中でも注目されているのが、自身の課題意識から生まれた営業支援の仕組み「ロープレビュー」。提案の精度や顧客理解を深めるために試行錯誤した工夫がチームに共有され、今では一部メンバーの実践にも広がりつつあります。
導入以降、チーム全体の営業成果にも顕著な変化が見られ、受注率、CL率ともに大幅アップ!営業活動におけるKPIの中でも、難易度の高い指標が大きく伸びたことで、取り組みの再現性と効果に注目が集まりました。
こうした結果の背景にあるのは、三浦さんの丁寧な仮説構築と、行動を仕組みに落とし込む力。
なぜこのポジションを任され、何を変えてきたのか。その背景をたどります。

目次♦
1.「成果より、相手を見ていた」——配属3ヶ月で任された“たった一人の営業支援”
2.人の成長に関わることが、昔からずっと好きだった——転職の軸とFCEとの出会い
3.壁を越えた瞬間、“自分の提案”が生まれた——営業を仕組みに変えたロープレビュー
4.企業家とは、“壁を自分の手で壊して、誰かの力に変えられる人”
「成果より、相手を見ていた」——配属3ヶ月で任された“たった一人の営業支援”
—— 今はSCユニットのリーダーを務めているんですよね。
三浦:はい。顧客支援部の中にあるSCユニットというチームで、営業と支援の両方を一貫して担う体制を取っています。商談から提案、導入後の伴走や追加提案まで、すべて自分が窓口になるという形です。
—— FCEの中でも、ユニークな体制ですよね。
三浦:そうですね。一般的には営業とカスタマーサクセスは分業されていて、それぞれ別の担当者が対応する形でした。営業と支援を同じ人が担当するのは、私が知る限りでは、FCEの中でも珍しい試みだと思います。
—— その体制の構築を最初に担ったのが三浦さんだったと。
三浦:はい。もともとは僕、新規営業で入ったんですが、当時の上司から「三浦くんは既存のお客様と長期的に関わる方が向いているんじゃないか」と言っていただいて。確かに自分自身でも、短期勝負の営業よりも“長くお客様と関係を続けていくには“を考えて向き合うほうが向いているなという実感もあり、試験的に一人でやってみることになりました。3ヶ月ほど1人チームで回してみて、「これはいけそうだ」となり、SCユニットというチームが発足しました。
—— 三浦さんの在り方が、新しいチームの形を考えるきっかけになったということですね。凄いです!
三浦:恐れ多いです…!でも当時の上司から「三浦くんなら営業と支援の両方を担えるし、そういうチームをつくっていけるんじゃないかと思った」と言っていただけたのは、本当にありがたかったです。

—— でも、そもそも営業とカスタマーサクセスを同じ人が担当することって、どんなメリットがあるんですか?
三浦:やはりお客様にとっての窓口が一つで済むのは大きいです。窓口を統一したほうがお客様のストレスも少なく済みます。
支援面においても、課題感の認識のズレも起きにくいですし、初期のヒアリングから伴走までを一人が担当するので中長期的に信頼を得やすい。お客様へもより説得力を持ってご提案できると感じています。
—— なるほど、お客様視点ではメリットがたくさんあるんですね。とはいえ、営業と支援の両方って難易度が高そうです。
三浦:まさにそうで、「お客様」と「会社の商材」を深く理解していないといけない立場なんですよね。
—— というと?
三浦:まず、カスタマーサクセスとしてお客様の在りたい姿を実現するために伴走するのはもちろんのことなんですが、「FCEでお役に立てる課題」を見落とさないようにする視点が大事なんです。例えばSmart Boardingを導入いただいている企業様の課題の中に「全社員に主体性を持って働いてもらいたい」という課題があったとします。そうするとこの課題解決には、「7つの習慣®」研修が役立つ可能性があります。そこでさらにその課題を深く理解して、ご提案する、といったイメージです。
そしてお客様のことを深く理解していないと、その提案自体が的外れなものになってしまう。そういった意味で、両面に対する深い理解が必要なんです。
—— 徹底してお客様理解することが大事なんですね。
三浦:そうですね!でも実は、私としてはすごくやりがいがあって、自分に合っているなと感じているんです。
人の成長に関わることが、昔からずっと好きだった——転職の軸とFCEとの出会い
—— そんな三浦さんはFCEに入社する前、どんな仕事をされていたんですか?
三浦:法人営業をしていました。工場や倉庫を建てるような領域で、経営者の方と直接お話しするような場面も多くて。お客様の事業内容を踏まえてご提案するという意味では、すごく学びの多い環境でした。
—— そこから転職を考えたのは、どんな背景があったんでしょうか?
三浦:そうですね。日々の仕事を通じて、「もっと人に関わる仕事がしたいな」という気持ちが強くなっていったというのが正直なところです。特に誰かの成長に立ち会うのが好きで、元々大学時代に地元のスイミングスクールで水泳インストラクターのバイトをしていたんですが、そのときの経験が大きいですね。子どもたちが「できた!」ってなった瞬間の顔を見るのが、本当にうれしくて。
—— できなかったことができるようになる過程を見届けるのが楽しいと。
三浦:はい。フォームが安定してきたり、タイムが伸びたり、すごく細かい成長でも、自分が関わることで変化が生まれる瞬間があるんですよね。それが面白かったです。
—— インストラクターという立場を超えて、かなり入り込んでいたんですね。
三浦:そうかもしれません。当時“スイミングノート”というものを勝手に始めたんです。練習後に「今日はどこがうまくできたか」「次は何を意識するか」を子どもたち自身に書かせて、自分はそれを赤ペンでコメント返して。大会に出る子だけでも40〜50人くらいいたので、それなりに大変でしたけど、やりがいがありました。
そうやって、本気で人と向き合って変化を感じてくれたり、成長を感じてくれたりするような仕事がしたいと思っていました
—— FCEとの出会いはどうだったんですか?
三浦:正直、最初は全然知らない会社でした。でも、紹介を受けたときに見たバリューブックにすごく惹かれたんです。言葉に嘘がないというか、「こういう考え方の人たちと働けたらいいな」と素直に思って、「ここでなら、“人の成長に関わる仕事”が本気でできそうだ」と思えました。ワークライフバランスではなく“ワークライフインテグレーション”という、仕事と生活を切り分けるんじゃなくて、どっちも大切にしながら生きていこう、という価値観にもすごくしっくりきたんです。
壁を越えた瞬間、“自分の提案”が生まれた——営業を仕組みに変えたロープレビュー
—— FCEで働く中で、特に印象に残っている出来事はありますか?
三浦:ある月に、それまでなかなか超えられなかった営業目標を大きく上回る成果を出せたことがありました。社内で設定していた月間目標の約1.5倍にあたる結果が出せたんです。あのときは「ようやく壁を超えられたな」と実感しましたし、目標から逃げないことを教わった体験でした。
—— 「壁を越えられたな」とはどういうことですか?
三浦:それまでは、目標に対して、行ったり行かなかったりの月が続いていたんです。
でも、その月は違っていて。「これがダメだったらもう仕方ない」と思えるくらい、自分の中でやれることは全部やったと思える状態で提案に臨めたんです。その結果、成果としても目に見える形で出たので、「やり方を変えたら、ちゃんと届くんだ」と初めて実感できました。
—— 大きな心の変化ですね!その月に一体何が…?
三浦:転機となったのが、xDriveです。xDriveとはFCEが実際に提供しているコンサルティングサービスで、メンバーが自分の課題や目標について上司や仲間に相談しながら、考えを深めていく会議形式のセッションです。「その仮説の根拠は?」「なぜそう感じたの?」といった問いかけを通して、自分の中にある課題を言語化して整理していくんです。
https://www.training-c.co.jp/service/xdrive/
—— FCEでは自社商品のxDriveを社内支援のしくみとしても取り入れているんですね。そこでどんな気づきがあったのでしょう?
三浦:お客様の課題を自分なりに解釈していたつもりだったんですが、実際には浅く捉えていたことに気づかされました。たとえば「制度がない」と聞いたときに、そのまま「制度を入れましょう」と返すような提案になってしまっていた。でも本来は、“なぜ制度が必要なのか”という背景や、育成がうまくいかない組織構造まで含めて考えるべきだったんですよね。
—— そこから、具体的にどんなアクションを?
三浦:上司にお願いして、提案の“切り口”の部分だけを短時間ロープレするようにしたんです。10分くらい「こういう入りで課題提起しようと思ってるんですけどどう思いますか?」と壁打ちして、フィードバックをもらう。それを提案に反映していくうちに、明らかにお客様の反応が変わりました。
—— 「まさにそこです」と言っていただけるような。
三浦:そうですね。「よくそこまで気づいてくれましたね」と言っていただけたときは、自分の中でも「営業の質が変わった」と実感できました。
ちなみにここで、私がやっていた10分ぐらいでロープレをしてレビューをしてもらうという方法が
「ロープレビュー」として、みんなもやるようになってチームに定着したんですよ。
—— 「ロープレビュー」?
三浦:はい。ロープレとレビューを組み合わせた仕組みで、例えば、提案書の冒頭課題」の部分に絞って練習してフィードバックをもらうというやり方です。ピンポイントで見てもらいながら言葉の使い方や構成を細かく調整していったんです。

—— そこを磨くことで、何が変わったんですか?
三浦:お客様の反応がまったく変わりました。「ここまで理解していただけていたとは…」「まさにそれを解決したいんです」と、初回の提案で深い共感が返ってくるようになって。最初の認識合わせの精度が、提案全体の説得力につながるんだと実感しました。
—— 営業成果にもつながったんですか?
三浦:はい。ロープレビューを始めた翌月から、受注率は10%改善、CL率は約20%も改善しました。自分のために始めた工夫でしたが、今ではチームの中にも広がり始めています。
—— 成果を出すための工夫が、仕組みになってチームに広がっている。まさに企業家的ですね。
三浦:ありがとうございます。一番苦しんでいたときの気づきと行動が、こうして誰かの役にも立っているのは本当嬉しいです!
企業家とは、“壁を自分の手で壊して、誰かの力に変えられる人”
—— 三浦さんにとって、“企業家”ってどんな人だと思いますか?
三浦:自立度合いが高い人だと思ってます。自分が今期待されてる成果を出していくために、何ができるのかを自分で考えたり、「今、壁になってるのって何だろう?」って自分で向き合って、それを乗り越えていける人。そういう人って、周囲に働きかけたり、新しい発想を出したりできるんだと思うんです。
—— たしかに、すべては“自分から始める”っていう姿勢ですよね。
三浦:そうですね。もちろんプロセスの中で周りの力は借りますけど、最初の一歩を踏み出すのは自分しかいない。だから「何が壁なのか」を自分で定義して、自分から動いていける人は、企業家に近いなって思います。
—— では、どんな人と一緒に働きたいと思いますか?
三浦:やっぱり、人に思い入れがある人ですね。お客様の成長とか、目の前の誰かの変化にちゃんと向き合いたいって思える人と働くのは楽しいです。営業数字を達成するためにどう動くか、っていうよりも、「このお客様には何が必要か」ってちゃんと考えられる人がいいなと思います。
—— 相手の課題を“どうすれば解決できるか”を素直に考えられる人。
三浦:はい。営業とか支援の経験があるかどうかは関係なくて、顧客にどれだけ興味を持って、理解しようとしているかが大事だと思っています。そういう姿勢がある人とは、すごく一緒に働きやすいです。
—— 三浦さんご自身も、最初から「何かを起こそう」としてきたわけではなかったと。
三浦:そうですね。何か新しいことを企ててやろう、っていうより、目の前の仕事をちゃんとやろうって向き合っていたら、少しずつ形になってきたという感覚です。結果的に、自分のやってきたことが他の人の助けになったり、仕組みになったりしたのは、すごくありがたいなと思っています。
—— その積み重ねが、FCEらしい“企業家”の姿なのかもしれません。
三浦:かもしれないですね!自分の課題にちゃんと向き合って、自分の手で変化を起こしていく。そういう人が増えていったら、FCEってもっと面白い会社になるんじゃないかなって思います。
—— 三浦さん、素敵なお話ありがとうございました!
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取材・執筆・撮影:竹中